地域小規模児童養護施設くるみ・楓・日向・つむぎ・のぞみ

社会福祉法人博愛社が運営する地域小規模児童養護施設は、法人理念の「隣人愛」を基盤とし、より家庭に近い生活を営むホームを目指し、2013(平成25)年3月に1軒目の「くるみ」が開設されました。2020(令和2)年4月に2軒目の「楓」、2020(令和2)年8月に3軒目の「日向」、2022(令和4)年8月に4軒目の「つむぎ」(東住吉区)、2023(令和5)年1月には5軒目となる「のぞみ」が開設しました5ヵ所の地域小規模児童養護施設は、児童養護施設博愛社の事業方針「自律した社会人になるための支援」に基づいて、一般家庭と同じように職員と6名のこどもたちが共に地域の中で暮らしています。

〒532-0028 大阪市淀川区十三元今里3-1-72 TEL: 06-6301-0367

お知らせNEWS

施設の特徴

博愛社が運営する地域小規模児童養護施設は、献立を自分たちで決め、買い物に行き、調理をします。足りないものがあるときは、子どもだけでお使いをお願いすることもあります。また、放課後や週末は近所の公園で遊び、習い事は公文に通うなどして、地域の方々に見守られながら暮らしています。このような取り組みを通して、より一般的な家庭に近い環境で生活しながら、こどもたちが自己責任の下、自己選択・自己判断・自己決定できることを目指しています。

施設の目的

地域小規模児童養護施設は、地域社会の中で、より家庭的な生活を営むことを
目的としています。社会自立に向けてのイメージを具体的に持てるよう、日常生活の中に
さまざまなエッセンス(生活の知恵や家計のやりくり等)を入れ、
子どもたちの育ちを支援しています。

5つの取り組み

食事

夕方、チャイムが鳴り、玄関を開けると「今日のご飯○○やろ?」とクイズが始まります。毎日3食の食事作りは、献立に悩むことも多いですが、子どもたちのリクエストを聞いたり、旬の食材を使い、和・洋・中をバランスよく食べられるよう工夫しています。庭で栽培している野菜や頂き物の食材が食卓に並ぶこともあります。子どもたちに「おいしい」と言ってもらえるよう、職員も日々、料理の特訓です。

協働

地域小規模児童養護施設3ホームのモットーは「協働」です。日々の掃除や食事の準備など、皆で協力して行っています。自分や誰かのために行動でき、また感謝を伝えられる人になってほしいと願っています。

習い事

自転車で7分程の場所にある公文の英語教室に週2回通っています。実力が付いてくると英語検定にもチャレンジしています。他にも、ピアノ教室や子ども会のスポーツチーム等が地域にはあり、興味のあることに挑戦できればと思っています。

経験

子どもたちの周りには、楽しそうなこと、面白そうなことが溢れ、「あれがしたい」「ここに行ってみたい」という思いに、どうしたら応えられるだろうと、職員は日々、頭を悩ませます。おでかけや旅行を通して、多くの経験をし、一人一人の世界が広がってくれることを望んでいます。

地域の方々とのつながり

ご近所さんとの挨拶や嬉しい頂き物、町会の方々と一緒に参加する行事、子どもたちの友達のお母さん方との交流など、地域で暮らすことで生まれる何気ない風景が、地域小規模児童養護施設3ホームでも当たり前の風景となりつつあります。

地域小規模グループ責任者あいさつ

共に暮らすことを大切に

地域小規模での生活は、「家庭的な暮らし」を目指しています。しかし、当然のことながら「家庭」は人それぞれ違います。そこに集い、暮らす大人もこどもは皆違った境遇で生まれ育ってきたのですから、意見や考えが違って当たり前なのです。まずは、違いを認め、協力し合い、支援する側、支援される側という関係性ではなく、その中で「共に暮らすこと」が何より大切だと考えています。そのためにも、こどもたちにはたくさんの経験をして希望を持つこと、職員にはこどもたちを信じ、その経験の機会を与える勇気を持って頂きたいと思います。そして、地域の皆様に支えられ、支える「共育て=協同子育て」を目指して今取り組んでいます。

地域小規模グループ 副主任勝原 駿

施設のご案内

くるみ

大阪市・十三にある社会福祉法人博愛社の施設内に一戸建ての建物で施設がございます。

  • 家庭に近い生活を営むホームとして子どもたちの育ちを支援しています。

  • リビングには自然とみんなが集まってだんらんが始まります。

地域の多くの方々との繋がりと支えの中で
子どもたちの育ちを見守っていきます

(くるみ責任者)

地域小規模児童養護施設くるみは、2013(平成25)年3月に開設しました。ここでの生活が始まった当初は、戸惑いも多くありましたが、児童養護施設博愛社が歩んできた長い歴史に、新たなページを刻み、また新たなことに挑戦できるわくわく感もありました。
地域小規模児童養護施設くるみの開設当時の最大の挑戦は“食事作り”でした。日頃から自炊の機会が少ない職員にとって、「皆においしいと言ってもらえるご飯が作れるだろうか」「家計のやりくりはうまくできるだろうか」と悩みのタネでした。食卓を囲み、「いただきます」の声と共に、子どもたちの反応を心配そうに見ていたことを思い出します。今では、メニューのレパートリーも増え、子どもたちが休日の昼食を作ってくれることもあります。子どもたちに作ってもらうご飯は、どこの高級店よりもおいしいと感じます。
地域の方々にも温かく受け入れて頂き、今は、多くの方々と繋がっていることを実感しています。これからも多くの人の支えの中で、子どもたちの育ちを見守っていきたいと思います。

楓(かえで)

2020(令和2)年4月1日、子育て家庭が立ち並ぶ住宅街の一軒家で、地域小規模児童養護施設「楓(かえで)」が開設しました。
「楓」の由来は、楓の種は2枚の羽根のような形をしており、風に乗って遠くまで飛び、新たな地で命を芽吹かせます。その性質に、新しい地で生活を作り上げていく様や、子どもたちが生き生きと成長し、新しい地へと飛び立っていく姿を重ねています。また、秋にはその鮮やかな色彩が楽しまれる楓。栄養を蓄え、緑色から黄色、橙色、赤色とその葉を彩らせます。緑とは子どもたちの若々しさの象徴であり、子どもたち一人ひとりが蓄えた力をそれぞれの「色」として表現し、一つの美しい風景を作り出せるような場所でありたいとの思いを込めています。

  • キッチン

  • リビング

楓の取り組み

子育て家庭が立ち並ぶ住宅街の一軒家で、一般家庭により近い環境の中、当たり前の生活を営みながら、自律した社会人になるための経験を積んでいける家となることを目指して開設されました。子どもたちの年齢層は幼児から高校生までと幅広く、それぞれができることも様々です。そのため、一人ひとりの成長に合わせ、協力し合いながら和やかな暮らしを形作っています。

特に食事は皆が楽しみにしており、調理や配膳から食卓を囲む時間まで楽しく賑やかに過ごすことが日常の風景となっています。

(楓 責任者)

博愛社の2軒目の地域小規模児童養護施設である「楓」は、初めて本体施設から離れ、住宅街の一軒家で生活をスタートしました。家具や生活用品を揃えるところから子どもたちと共に行い、環境整備や食事作りも協力し合いながら暮らしています。地域の方々とは少しずつ交流の機会が増え、家の前や公園で近所のお子さんと一緒に遊び、ご家族とも挨拶を交わし見守っていただくことが日常となってきました。博愛社の歴史から考えるとまだまだ始まったばかりの楓の暮らしですが、ここでの経験が今後巣立っていく子どもたちの生きる力となるような、新しい家庭の文化を形作っていきたいと思っています。

日向(ひなた)

玄関前の小さな花壇には様々な花を植え、季節を感じたり、彩を加えます。

2020(令和2)年8月1日に開所した「日向(ひなた)」は、大阪市、十三にある3階建ての一戸建てです。「日向」は8月の花「向日葵(ひまわり)」の「向日」と「日向」の日光が当たっている場所という意味から「日向(ひなた)」と名付けました。
向日葵の花びらは1枚1枚独立した花で、中心部分も1つ1つが花ですが、おしべとめしべがあり、タネができ成長します。そのような花の成り立ちから、それぞれの個性を尊重し、助け合いながら成長していきたいとの思いを表しています。
また、日が当たっているような明るく、温かみを感じられると共に日が当たっている場所があるということは影もあります。誰かが悲しんでいる時や苦しんでいる時には日を当て、一緒に思いを分かち合い、乗り超えていきたいとの思いを込めています。

  • キッチン

  • みんなでたこ焼きパーティー中

日向の取り組み

* 自分の事も相手の事も思いやる気持ちが持てるように共に暮らします。
* 三食、おやつ作りを通して食育を行います。旬な食材を使い、季節を感じ、休日にはおやつを作り、みんなでお茶タイムをしてゆっくりと過ごします。
* 買い物やお出かけを通して社会性を身につけます。買い物のやりくりを一緒に行ったり、さまざまな経験を積み、成長してほしいと願っています。
* 地域との繋がりを大切にし、ご近所さんとの挨拶、子どもたち同士の交流など、地域の方々に温かい目で見守っていただきたくお願い致します。

(日向 責任者)

地域小規模児童養護施設 日向は2020(令和2)年8月に開設しました。開設前には子どもたちと「これいるやろ?」などと相談して物品を購入し、皆でわくわく感を感じながら準備しました。時にはみんなでゆっくりと過ごし、時には協力し助け合いながら気持ち良く過ごせるように私たち職員は子どもたちの育ちを支援していきます。また子どもたちが安心した暮らしの中で主体性を持ち、自己決定できるように支援し、子どもたちの世界、可能性が広がっていくことを願っています。

「いってきます」「ただいま」と子どもたちの元気な声が響き、職員も子どもたちに負けない元気を子どもたちに届け、共に「日向」を作っていきたいと思っています。

つむぎ

2022(令和4)年8月20日に開所した「つむぎ」は大阪市東住吉区、教会の敷地にある2階建ての一戸建てです。つむぎという名前の由来は「人と人の縁を紡ぐ」「夢を紡ぐ」「人生を紡ぐ」「物語を紡ぐ」「歴史を紡ぐ」というようにこどもたちには、この先の人生において各々がストーリーを紡いでもらいたい。という思いを込めてつむぎと名付けました。
つむぎでの生活においてこどもだけでなく大人も東住吉の地域で新たな気持ちで生活をはじめました。初心を忘れることなく、こどもと一緒にまた、地域の方、教会の信徒さんに協力をしてもらいながら喜怒哀楽のある生活を送り、自律した社会人になるための支援を行っています。

つむぎの取り組み

〇こどもたちは出来事を沢山話してくれます。しっかりと話を聞くことで、つむぎが安心できる安全な場所でこどもたちの家という認識、こどもが大切にされているという感覚を養っています。
〇食育=旬の食材を取り入れた食事を意識しています。
〇近くの商店街に買い物へ、日用品から、食材まで様々なものがどこにあるのか楽しみながら購入します。こどもの頃から経験を積むことで社会に出た時に柔軟な対応が出来るよう心がけます。
〇地域運営推進会議を年2回実施しています。つむぎの運営が適切に行われているか、地域の方にも出席いただき助言をもらい日々の実践に取り入れています。
〇地域の方との繋がりを大切に、放課後、友人を連れて来たり、遊びに行ったりしています。職員は家の前で地域の方と情報交換、コミュニケーションを取り地域でこども達をケアしてもらえる環境を作っています。

責任者あいさつ

(つむぎ責任者)

地域小規模児童養護施設博愛社つむぎを開設するに辺り、慣れない東住吉の地でやっていけるのか不安ではありました。ですが、大人の不安よりもこどもが先に環境に順応し、学校に行けば友人を直ぐに作り放課後遊びに。考えるよりもまず行動と、こどもたちから学ぶことも多くあります。
つむぎの近くには長居公園があり四季を感じることが出来るため弁当を持って花見やピクニック、東住吉の地域で暮らしています。こどもたちと協力しながら節約しつつ、どのようにすれば生活をより豊かに送ることが出来るのか、地域の方々に支えられ、これからも東住吉で自律した社会人になるための支援を行っていきたいと考えています。

のぞみ

博愛社の5軒目となる地域小規模児童養護施設「のぞみ」は、2023(令和5)年1月に開設しました。こども達と一緒に家具や生活用品を買いに行き、新築の香りが漂う中でのドキドキのスタートでした。

手を繋いでスーパーへ行く何気ない1日、TVを観ながらゆったりと過ごす時間、宿題が難しいと言う子ども達を励ます毎日、そんな何気ない日常ひとつひとつを大切にしながら子育てをしていきたいと思っています。

  • 個室の部屋

  • みんなで料理のお手伝いをします

  • ダイニングルーム

のぞみの取り組み

のぞみのメンバーは本体施設で幼児期のときからずっと変わらず一緒に生活をしていて、地域に引っ越しをしました。

こども達の年齢層は年長児から小学校低学年の低年齢児で、みんなこどもらしく毎日賑やかに過ごしています。

責任者あいさつ

(のぞみ責任者)

地域小規模児童養護施設「のぞみ」は、2023(令和5)年1月から本体施設を離れ、地域の中での生活をスタートしました。

初めてこどもだけで公園へ遊びに出かけたり、商店街やスーパーへおつかいを頼んだとき、“大丈夫かな…”と心配で一杯になりながらも「いってらっしゃい」と見送ったことが懐かしく感じるほど、少しずつ この家での生活に慣れ始めています。これからも長いようで短い子育ての時間を楽しみながら、こども達と一緒に「のぞみ」を作っていきたいと思っています。

施設概要FACILITY

施設名

くるみ / 楓 / 日向 / つむぎ / のぞみ

類型

地域小規模児童養護施設

設置主体

社会福祉法人 博愛社

理事長

畑野 研太郎

施設長

河野 光裕

開設年月日

くるみ:2013(平成25)年3月27日

楓:2020(令和2)年4月1日

日向:2020年(令和2)年8月1日

つむぎ:2022(令和4)年8月20日

のぞみ:2023(令和5)年1月

定員

くるみ:6名 / 楓:6名 / 日向:6名 / つむぎ:6名 / のぞみ:6名

建物構造

くるみ:鉄筋造スレート葺

楓:木造軸組工法

日向:木造軸組工法

つむぎ:木造軸組工法

のぞみ:木造軸組工法

職員数

施設長・児童指導員・保育士

住所

〒532-0028 大阪市淀川区十三元今里3丁目1番72号

連絡先

電話 06-6301-0367(代) / FAX 06-301-5347(代)

メールアドレス

jidou@hakuaisya-welfare.net

アクセスACCESS

阪急電鉄「十三」駅より徒歩約15分
大阪シティバス「十三元今里」「田川通」停留所より約3分